☆=====☆=====☆=====☆=====☆=====☆=====☆   ◎○◆○◎ 久保木正則TMのベンチ裏リポート 第65回 ◎○◆○◎     → → → → → → → →【 競馬も野球もひたむきに 】 ===☆=====☆=====☆=====☆=====☆=====☆===  夏の新潟競馬が始まった。今年は灼熱の福島を経験していたせいか、暑さ はそれほど気にならなかったが、日曜日はメインレースが当地名物のアイビ スSD。おまけに“フリーパスの日”で入場料が無料。さらにゲストとして、 ただいま人気絶頂のお笑いコンビ・メイプル超合金が来場ということもあり、 競馬場の入場人員は前年を少し下回ったものの2万4000人超。場内は朝 から熱気ムンムンだった。  アイビスSDは西田騎手が騎乗した8番人気のラインミーティアが豪快な 追い込みを決めて重賞初制覇。レースは1番人気のフィドゥーシアが前半2 F21秒8−3F32秒2の速いペースで逃げ、これをアクティブミノル、 レジーナフォルテの上位人気馬がマークする形で進んだが、フィドゥーシア の石橋脩騎手はスピードを落とすことなく800mを通過。さすがこの地点 で先述の2頭は力尽きてフィドゥーシアに離され、新潟で行われたスプリン ターズSを優勝したビリーヴの仔がアイビスSD制覇か…と思われたところ へ飛んできたのがラインミーティア。同馬は今年の直線競馬を3走していた が、うち2回で上がり最速をマーク(今回と同じ31秒6)。展開さえ向けば と いう下地はあったのだが、今回はラスト1Fが11秒7要したことで差 し切ることができた。  鞍上の西田騎手は42歳。最近は目立つ活躍こそなかったが、直線競馬で の手綱さばきは素晴らしく、2010年にはこのアイビスSDを今年と同じ 8番人気のケイティラブで制している。今回はそれ以来の重賞勝ちとなった のだが、7歳馬とのベテランコンビで成し遂げたこの勝利は、▲→○→◎の 順で決着しながら馬券はハズしたが、年齢が近い当方としてはなんとも嬉し い。また、2着のフィドゥーシアも負けて強しのレース。直線競馬もダメと いうことはないが、その非凡なダッシュ力はコーナーのある1200mでよ り生きるだろう。昨年の2着馬で3番人気のネロは10着と大敗。58kg は厳しかったが、それ以上に馬の状態が良くなかった。  先週の競馬でひとつ残念だったのは、胸がときめくような新馬のデビュー がなかったこと。先週の当欄で、「新潟には素質馬が控えている」と書いた が、ひとまずそれは今後に期待ということで…。しかし札幌では、大物が期 待に違わぬ強さでクラシックへの第一歩を踏み出した。ダービー馬・レイデ オロの全弟にあたるレイエンダがそれ。兄と同様でパドックでは少しうるさ かったが、レースでムキになることがなく、鞍上の指示に対する反応が素晴 らしい点も兄と一緒。藤沢和厩舎の先輩で今年のオークスを勝ったソウルス ターリングと同じメイクデビューを勝ち上がったのだが、タイムも同じ1分 51秒4。この一戦だけでもスターの資質を備えていることがわかる。た だ 、レイデオロより若干だが筋肉質で寸の詰まった体型。距離には少し限 界があるかもしれない。  競馬場からの帰り道。グリーンチャンネルの出演があり、普段より30分 以上遅れて駅へ向かうタクシーに乗り込んだのだが、その時間ならとっくに 解消されている競馬場周辺の渋滞がまだ残っていた。その影響で新潟駅に到 着したのが新幹線発車の2分前。ラインミーティアばりの追い込みでなんと か乗車することはできたが、スーツケースを担いでのダッシュはキツかっ た…。重い斤量は短距離戦ほど走りに関係するということを身をもって知っ たアイビスSDデーだった。